ポッドキャストメモ

伊藤洋一のビジネストレンド

今、アメリカではなにが起きているか

  • アメリカから, NY大学総合芸術学部教授ショーン・ヴァン・エブリーさんへのインタビュー。
  • 伊藤氏:アメリカではなにが起きているのか? ハワイの地震に非常に驚いた。CNNやFOXが視聴者に対して写真や動画を送ってくれと言っている。日本では放送局が権威を持っているので、ニュース番組でそのような呼びかけをすることはない。
  • エブリー氏:かつてはアメリカのメディアでも同じ。日本と同じように訓練された記者によって公正なメディアが権威を追っていた。今アメリカで起こっているのは(好きな呼び方ではないが)ユーザ・ジェネレーティッド・コンテンツまたはユーザ・ジェネレーティッド・メディアの発達。視聴者の側にメディアに参加したいという強い気持ちがあるため。それがオーディオやポッドキャストなどいろいろな形で、表に出てきているため。そのことがメディアを多様化させている。
  • 伊藤氏:多様化するのはいいが、それが正しいものかメディアは検証するのが難しい。
  • エブリー氏:確かに間違った映像が送られてくる可能性はある。インターネットが始まってそのような状況になっている。しかし、その危険性はメディアでも同じ。
  • 伊藤氏:日本ではそのような映像を使うこともあるが放送までには検証している。ハワイの映像では検証せずにそのまま使われていた。
  • エブリー氏:たとえ危険性があっても、BBCも同じことをしているし、そのようなことは増えていくだろう。
  • 伊藤氏:参加型メディアというのは?
  • エブリー氏:自分の意見や、写真を、社会的な意味を考えながら、メディアに参加すること。
  • 伊藤氏:民主党も共和党も、SNS を中間選挙に活用している。SNS は参加型のメディア。日本では選挙法の問題がありまだインターネットも使用できない。
  • エブリー氏:今は誰でも情報を流せる時代。政党は若い人たちや関心のなかった人たちを取り込むために SNS を活用しているのだろう。
  • 伊藤氏:ポッドキャストなどで、メディアのラダーは崩れていくか?
  • エブリー氏:ラダーの崩壊ではなく、新しいメディアをすくい上げ、それをフィードバックする事により、メディアとしての権威を保っている。新しいものが、古いメディアをつぶすのではなく、古いメディアが、新しいものを使い権威を高めている。
  • 伊藤氏:ラリーキングがまさにそれで、視聴者に電話で呼びかけている。
  • エブリー氏:既存のメディアの権威は非常に大きい。
  • 伊藤氏:エブリー氏が興味のあるデバイスは?
  • エブリー氏:携帯電話です。携帯電話は言ってみればコンピュータで、メディアの受信だけでなく、カメラなど送信もできる。つまりマルチメディア作成デバイスで、それを常に携帯していることが凄いところ。
  • 伊藤氏:携帯と言えば日本が進んでいると思うがどうか?
  • エブリー氏:確かに日本が一番進んでいるが、ノキアや韓国メーカーも新しい携帯、新しい文化を生み出している。
  • 伊藤氏:あなたはITPではなにをしているのですか?
  • エブリー氏:メディアリサーチや、教授もしている。私がここに来た二年間でも大きな変化があった。オンラインビデオの投稿やSNSによってメディアが爆発したこと。テクノロジーは大きく変わっていない。
  • 伊藤氏:人々の受容性が変わってきたのでは?
  • エブリー氏:私の父も、ブリザードで停電になってもトラックのエンジンをかけて充電し、携帯電話で録音して写真を撮って放送局に送っていた。私の父は古い時代の人間だが、こんなこともできている。
  • 伊藤氏:テクノロジーの普及はどのレベル?
  • エブリー氏:テクノロジーの普及には時間がかかる、メディアの爆発もまだ始まったばかり。テクノロジーはあまり変わらなくても、人々の受け入れ姿勢が変わり、メディアが変わり世論形成の方向も変えてしまうだろう。


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2009-02-11 (水) 11:36:44 (5556d)